本州最北端に位置し、東側の下北半島と西側の津軽半島が陸奥湾を取り囲む特徴的な形をした青森県。
その中央を貫く奥羽山脈を境とした、日本海側の津軽地方と太平洋側の南部地方は、それぞれ異なる歴史や気候、文化、風土を持っています。
そんな青森の地域ごとの特徴や、文化、風土、食の違いを肌で感じるには、自転車で走るのが一番。
青森を訪れるなら、ぜひ、ゆっくりと時間をとって、山、海、平野をめぐる自転車旅をしてみたいものです。
日本有数の景勝地として名高い奥入瀬渓流や十和田湖、そして雄大な八甲田連峰の周辺では、神秘的な雰囲気さえ漂う美しい大自然と一体となるライドが楽しめます。坂バカならずとも、あの坂の向こうにある景色に心踊る、絶景ライドエリアです。
三方を海に囲まれ、中央に陸奥湾を抱えて暖流寒流の4つが流れ込む青森県では、水産業も盛んです。特に陸奥湾では、ホタテの養殖が有名。陸奥湾には八甲田山系の深いブナ林から栄養豊富な水が注がれているため、エサとなる植物プランクトンが豊富で、旨味をたっぷりと蓄えた肉厚なホタテが育つのです。
このホタテをはじめとした新鮮な海の幸を楽しむなら、陸奥湾に突き出た夏泊半島を海岸沿いにまわるサイクリングルートがおすすめ。
青森の代名詞とも言えるリンゴ栽培は、弘前市が生産量日本一を誇ります。
広大な津軽平野に位置する弘前は、弘前城を中心とした歴史ある城下町。昔ながらの街並みや歴史的建造物も多く残り、平坦な地形はのんびりポタリングにも向いています。
その弘前の鎮守の山として、信仰の対象となった岩木山は「津軽富士」とも呼ばれ、優美な裾野を広げてそびえる独立峰。標高は1,625mで、青森県で最も高い山です。
この岩木山の周囲をぐるっとまわり、見る角度によってその形状を変える岩木山の眺めを楽しむライドも、走りごたえのあるおすすめルート。
青森の夏の風物詩といえば、青森ねぶた祭と弘前ねぷたまつりが有名です。いずれも日本有数の壮大なお祭りで、その地域を挙げた盛り上がりは想像以上。それだけに、これを目当てに訪れる観光客も多く、宿をとるのに苦労することもしばしば。
静かにゆっくりと青森を堪能したいというサイクリストのみなさんは、これらのお祭りの時期を避けたほうが賢明かもしれません。
見る場所によってさまざまに異なる表情を見せてくれる、雄大な八甲田連峰。
原生林と苔むす岩に囲まれた千変万化の水の流れ。奥入瀬渓流を間近に走る14kmは、夏でも涼しく気持ちよい。
濃いブルーが印象的な陸奥湾を眺めながら夏泊半島を走るなら、ホタテをはじめ新鮮な海の幸を思う存分楽しみたい。
「津軽富士」とも呼ばれ、美しく裾野を広げる青森県の最高峰、岩木山。
八甲田ライドの疲れを癒すなら、「千人風呂」で有名な酸ヶ湯温泉の白濁硫黄泉がおすすめ。
りんご生産量日本一の弘前市内では、50軒以上のお店で多様なアップルパイを提供。